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コラム6  「ちゃんと払っているのに」関係会社間取引が否認される理由 税理士が解説

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最近の税務調査事例では、
グループ企業内の取引が大きな争点となるケースが増えています。

特に、同一オーナーが関与する会社間での
業務委託費や管理費の支払について、
金額の妥当性や業務実態が問題視されることがあります。

こうした関係会社間取引は、
利益移転や所得調整に利用されやすい構造を持つため、
税務調査では重点的に確認される分野です。

今回は、この論点について整理します。

 

👤 社長
同じオーナーの会社同士での取引って、そんなに問題になるんですか?

🧑‍💼 BASE ONE
はい。
税務調査では、ほぼ確実に見られる論点です。

👤 社長
なぜですか?

🧑‍💼 BASE ONE
利益の平準化や節税を目的に、
利益操作に使われやすいからです。

・黒字会社から赤字会社へ利益移転
・決算間際の業務委託費
・「経営指導料 月額100万円」といった曖昧な名目

こうしたものは、特に厳しく見られます。

「ちゃんと払えば損金になる」は危険

👤 社長
請求書を作って、実際に振り込めば問題ないのでは?

🧑‍💼 BASE ONE
そこが一番危ない考え方です。

形式が整っていても、

✔ 何の業務か不明
✔ 金額の根拠が不明
✔ 実態が確認できない

場合は、否認されます。

👤 社長
否認されると?

🧑‍💼 BASE ONE
支払った会社では損金不算入。
受け取った会社では益金など。

いわゆる“往復ビンタ”です。

まずやるべきこと① 契約書の具体化

👤 社長
では、何を準備すればいいのでしょうか。

🧑‍💼 BASE ONE
まずは契約書です。

「経営指導料 月額◯◯円」ではなく、

・どの業務を
・いくらで
・どのような算定根拠で

委託したのかを明示する必要があります。

② 金額の算定根拠を示す

👤 社長
金額はどう決めればよいのですか?

 

🧑‍💼 BASE ONE
有力な基準は、
「第三者に依頼した場合いくらかかるか」です。

業務を細分化し、
第三者価格を積み上げる。

理想は、その会社が外部からも同様の業務を受託していること。

そこまで整っていれば、
税務署が踏み込みにくくなります。

③ 実際に業務をやっているか

👤 社長
契約書があれば安心ですか?

 

🧑‍💼 BASE ONE
いいえ。
最も重要なのは“実態”です。

・業務日報
・成果物
・会議記録
・再委託契約書

コンサルティングのような形に残りにくい業務ほど、
証拠が求められます。

 

👤 社長
そこまで見られるんですか。

 

🧑‍💼 BASE ONE
はい。
架空請求や資金還流(いわゆるB勘行為)が横行しているためです。

税務調査で必ず聞かれる3点セット

🧑‍💼 BASE ONE
関係会社間取引では、必ず聞かれます。

① なぜ別会社に依頼したのか
② 金額の算定根拠は何か
③ 業務を履行した証拠はあるか

この3点です。

👤 社長
準備していないと厳しいですね…。

🧑‍💼 BASE ONE
ほぼ100%聞かれると思ってください。

「最初だけちゃんとやる」会社が一番危ない

👤 社長
最初はちゃんと契約書も作ったんですが…。

🧑‍💼 BASE ONE
多くの会社がそうです。

徐々に、

・理由が曖昧になる
・金額が膨らむ
・証拠が残らなくなる

そして、
“ちょうど脇が甘くなった頃”に税務調査が来ます。

準備がすべて

税務調査は、
理論的に正しければ必ず勝てる世界ではありません。

調査官は「更正を打てるかどうか」で判断します。

✔ 論拠
✔ 契約書
✔ 証拠資料

が揃っていれば、踏み込みづらくなります。

BASE ONEのスタンス

私たちは、

✔ 指摘されない申告だけを目指しません
✔ 踏み込むなら、押し戻せる準備を整えます
✔ 説明できる状態を事前に作ります

関係会社間取引は、
“やってはいけない”のではなく、
“整えないと危ない”のです。

まとめ

関係会社間取引は、
税務調査でほぼ確実に見られる論点です。

✔ 契約内容の具体化
✔ 金額算定根拠の明示
✔ 業務実態の証拠化

この3点を整えておけば、
リスクは大きく下がります。

 

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まだ問題になっていない段階こそ、
整理の効果が最も大きいタイミングです。

オーナー企業、外資系企業の関係会社間取引・グループ取引について不安がある方は、
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※本コラムは、税務調査や過去処理に関する考え方を
**BASE ONE税理士法人**への実際の相談事例をもとに構成しています。
実際の対応や判断は、会社の状況によって異なるため、
個別のケースについては専門家へご相談ください。